橋本隆子先生とともに実践する「DXの始め方」

開催報告
  1. ホーム
  2. 開催報告
  3. 橋本隆子先生とともに実践する「DXの始め方」

全6回の講演が行われる「とくしまフューチャーアカデミーDX2022」。

第5講は、「 今こそ『デジタル』を学んで、生きる力を身につけよう」というテーマで、千葉商科大学 副学長の 橋本 隆子 先生にご講演いただきました。

講演中の橋本氏。参加者からの意見を積極的に聞き出す、インタラクティブな講演だった。

自立したければITを学べ

女性の就業者数を示したグラフ。情報通信業はコロナ禍以降も、雇用が拡大している。

講演では、「デジタル分野と女性」「DX/デジタル人材とは?」「(DX化の)最初に何に取り組むべきか」「デジタル化の課題」という大きな4つのトピックについて、参加者との意見交換も交えながら考えを深めていきました。

 

データから見る「IT人材になる価値」

 

デジタル分野の女性の年収の推移を表したグラフ。デジタル分野は他業種より、圧倒的に継続年数に比例して年収が増加する。

知識や技術をインプットして、スキルアップをめざす際の指針の一つとなるのが「社会の動き」です。

「ITの知識があるかどうかで年収は大きく変わってくる可能性がある」という事実。一方で「IT技術者の女性比率はまだまだ少ない」というのが現実です。

 

この現状は、政府が推進している「女性デジタル人材育成」の動機でり、技術者の「途中参入」が求められているという、社会の動きともつながっています。

 

可視化されたデータから、デジタル人材の優位性に納得し、わたしたち参加者の「ITの知識を身につけたい」というモチベーションは確実に高まりました。

 

 

DX最初の一歩「ITで効率化できないか」

DXとは「ITを使って効率化しましょう、便利になりましょう」ということ。

「日本のデジタル化が遅れている」原因には「女性の参画が遅れていること」があると橋本先生は分析します。

 

 

インターネットが普及する以前の、日本が世界の技術をけん引していた時代には「ものを作らずにサービスを作って働く」という考えはメジャーなものではありませんでした。しかし、時代の変化に合わせ、新しい技術を取り入れるには、将来を見据えた柔軟な思考が大切です。だからこそ、時代の変化への対応について「女性の参画が不可欠」なのです。

参加者への「どうしたらデジタル人材になれるか?」という問いかけから、DXの始め方を考える。

そしてわたしたちに投げかけられたのが、「どうしたらデジタル人材になれるか?」という質問。

 

「IT技術について理解する」「デジタルへの魅力と必要性を感じる」。もちろんそうした心理面も大切です。

 

でも実はそのときに、自分の強みとITスキルの「うまく組み合わせること」がポイントだと橋本先生。それこそが、今日のテーマのひとつ「生きる力」と大きく結びついていくのでした。

 

デジタル人材にこそ「IT以外の知識が重要」であるという。

より求められる人材となるために、試すべき方法

それは、”自分の強み”を理解して、自分のスキルや知識と組み合わせること

大学で簿記について専門的な知識を持っている学生たちに向けて、「ITを勉強してください」と伝えるという橋本先生。

なぜなら、自分の持っている知識にプラスして、ITを身につけることは、「最も有効なIT人材になるための方法」であるからです。

ただ単に「Webの知識」「プログラミングの知識」を得るだけでは、専門的な勉強をしている人には敵わない。
IT技術だけで勝負するのではなく、そこに自分の強みを加えること。そうして、付加価値のあるIT人材になっていく!!

 

わたしだからできることがあるんだ!と、未来が開けた気持ちになった瞬間でした。

 

 

参加者と「身の回りでDX化できそうなこと」を考える

DXの始め方のひとつ「ITで効率化できないかを考える」。

DXの始め方の第一歩は「ITで効率化できないかを考える」こと。

例えば「新聞のスクラップを切り貼りだけでなく、Excelに入力する」。そうすると、後ほど見返す際の検索性が上がったり、複数人で共有できるようになる。

 

誰もがハッとしました。
そうか!実践ってそういうことなのか!と。

 

 

ほかにも、家庭のなかでも「ペットの犬の食べている量とカロリーを計算する」など、実際に先生がペットの健康管理に役立てている方法も出てきて、橋本先生の素顔がチラリ。必死に頭を回転させていた参加者も、ちょっぴりほぐれた表情になりました♪

職場ですぐに行えるDXの例。

 

まずは、自分の好きなことや家族や同僚の「役に立つもの」を作ってみることがDX化の第一歩。そう考えると、取っつきづらかったDXが、ぐっと身近になりました。

ワークショップ「身の回りでDX化できそうなこと」でDXを実践

後半のワークショップでは、6つのグループがそれそれ1ページのGoogleスプレッドシートにアイデアをまとめ、プレゼンテーションを行いました。

ワークショップの説明。各グループから様々な視点の意見が発表された。

「朝の時間を時間管理する」「立哨当番の順番をリマインド」「学校からの連絡物をスマホで確認できる」「献立を地域で共有できるアプリ」「職場でのマニュアルにアクセスしやすくする」「市役所の仕事を共有し、サービスを効率化/平等化する」などたくさんのアイデアが出てきました。

 

アイデアを考える際に重要なのは「創造される価値」を考えること

 

参加者のアイディアを「実現するためにはどうしていくか」と発展させて、さらに私たちのワクワクを広げてくれた橋本先生。

「技術を高め、そこに自分の強みを混ぜ込み、アイディアを広げてDXを実践していく。そのための、知識とノウハウを吸収できた!」と達成感いっぱいの表情で、あっという間の2時間半を終えることができました。

 

「実際に『何ができるか』を考えられる人材になってほしい」という橋本先生のメッセージを胸に、このあと、私たちは、ファイナルステージへと向かっていきます✨